ここでいう苦痛とは、身体的苦痛だけでなく、心理的苦痛も含めたものである。

【一時的セデーション】

睡眠を確保させる、手術時の不安や恐怖感を鎮静薬など用いて落ち着かせる、などの場合に採用される。

QOLが低い状態から一時的に退避させ、セデーション後のQOL改善を見込んで行う。

【最終的セデーション】

死に至るまで持続的に意識レベルを下げること。

死に伴う痛みや苦痛を避ける措置として採られる。QOLの低下を阻止する手段が他にない場合にとられる最終的な処置である。

セデーションはあくまでも苦痛を取り除くために行う医療行為であり、死を目的とした安楽死とは一線を画するものである。

終末期におけるセデーションの採用は、患者と家族、医療従事者の間で十分な話し合いを持ったうえで、患者と家族のコンセンサスを得ておく必要がある。