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看護師のキャリア『大学教授に聞いてみた』その弐


看護師のキャリアパスには、臨床現場での経験を活かして多様な分野へと進まれる方が多くいらっしゃいます。中には、臨床から一歩離れ、研究職として活躍されている方や、専門的な資格を取得し、現場での実践に役立てている方もいます。
本シリーズでは、そうした多彩なキャリアの一端をご紹介すべく、さまざまな道を歩まれている看護師の方々にインタビューを行い、その経験や思いをお届けしていきます。

今回は前回に引き続き、現在大学で教員としてご活躍されている方にお話を伺いました。
研究職として歩まれることになったきっかけや、実際の研究活動の内容、そして臨床経験がどのように研究に活かされているのかなど、貴重なお話をお聞きすることができました。


もくじ

研究職を目指すうえで

学校を経験した後でのキャリアパス -これから研究職を目指す人たちへ ~

  • 看護師のキャリアパスには、臨床現場での経験を活かして多様な分野へと進まれる方が多くいらっしゃいます。中には、臨床から一歩離れ、研究職として活躍されている方や、専門的な資格を取得し、現場での実践に役立てている方もいます。
  • 本シリーズでは、そうした多彩なキャリアの一端をご紹介すべく、さまざまな道を歩まれている看護師の方々にインタビューを行い、その経験や思いをお届けしていきます。
  • 今回は前回に引き続き、現在大学で教員としてご活躍されている方にお話を伺いました。研究職として歩まれることになったきっかけや、実際の研究活動の内容、そして臨床経験がどのように研究に活かされているのかなど、貴重なお話をお聞きすることができました。

大学に勤務する看護系研究者に聞く:研究職を目指す方へのメッセージ

今回のインタビューでは、看護系の研究職として大学に勤務されている方にお話を伺いました。研究職とはどのような仕事なのか、そしてそれを目指す人にとってどのような心構えが必要なのかについて、具体的な経験を交えて語っていただきました。

「自分に研究職が向いているのか不安」「キャリアチェンジとしての研究職はどうなのか」といった疑問を持つ方にとって、ヒントになる内容になっています。

学校での経験を生かしたキャリアパス

30代前半で研究や教育の現場にチャレンジし、助手や助教を経験した後に教育担当の師長になる、というキャリアパスもあります。

――教員を経験した後に、臨床の現場へ戻られる方もいるのでしょうか?

教授:はい、いらっしゃいます。特に30代前半くらいで、研究や教育の現場を経験してみたいという方が、大学で助手や助教として働くことがあります。そしてその後、教育担当のポジションを担って病院に戻るといった流れもあります。

若いうちに一度、大学という場で研究や教育に関わってみることで、自分にその仕事が向いているかどうかを見極めることができます。それがその後のキャリア選択に活かされるのではないかと感じています。

研究職・教育職を目指す人へ伝えたいこと

人と接すること自体にやりがいを感じられるかどうかは、教育職としてとても大切な素質です。

――今後、研究職や教育職を目指す看護師の方々へ、アドバイスはありますか?

教授:もちろん、研究所などで純粋に研究だけを行う職もありますが、多くの場合、研究職と教育職は一体になっています。そのため、人との関わりを避けたい、あまり好きではないという方には、教育職は厳しいかもしれません。

看護師は基本的に対人援助の専門職なので、そういう人は少ないと思いますが、ゼロではない印象もあります。中には、学生のことをあまり良く言わない、否定的な発言が多くなる方もいます。

臨床現場では、患者さんの中には一見やりとりが難しい方もいますが、それでも看護師はきちんと関係を築いて援助を行っています。この感覚がないと、教育の現場では苦しさを感じることになるでしょう。

――対人関係が苦手だから研究職へ、という考え方は危ういということですね。

教授:そう思います。大学は病院とは違って、学生と長く密接に関わる環境です。限られた人数と、数年間かけてじっくり関わることになりますから、関係性の構築力が問われます。

そして、教員としての姿勢を支えるのは、人と接すること自体にやりがいを感じられるかどうかだと私は思います。

研究テーマの選び方について

教授:研究に関して言えば、自分が本当に「面白い」と思えるテーマを持てるかがとても大切です。社会的意義や流行といった要素も重要ですが、それ以上に、研究そのものに対する内発的な興味がなければ続けるのは難しいと思います。

中には、「求められているから」あるテーマを選ぶ方もいますが、やはり自分が楽しめないと長くは続きません。研究テーマに向き合う時間はとても長いので、まずは自分が興味を持てる分野をしっかり見つけておくことが大切です。

――自分の中でワクワクするかどうかが、研究職にとっての軸になるのですね。

次回へつづく

『看護師のキャリアシリーズ ~大学教授に聞きました その参~』を読む

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