日勤業務も慣れてきて、初めての夜勤。
イメージも付かず、夜勤前は何を準備したらいいの?仮眠で寝坊しないかな?などわからないことだらけなのではないでしょうか?
夜勤の時の過ごし方や、夜勤持参グッズなど、実際に働く看護師の方にお話をお聞きしました!
夜勤業務の前準備で安心を。
▶夜勤業務のタイムスケジュールを確認して安心を。
日勤帯でもある程度決まった時間に行うことがあるように、夜勤帯でも、ある程度の決まった時間に行う業務があるのが通例です。施設によっては、タイムスケジュールのようなものをマニュアル化している施設もあるでしょうから、夜勤の前に確認して、大まかな流れを把握しておくのも良いでしょう。
ただ、長い夜勤です。すべての時間のスケジュールを完璧に頭に入れることなどすぐにはできません。やるうちに頭に入ってくると思いますので、大まかな流れを把握し、安心する材料程度に使うことが良いでしょう。
▶前持った情報収集で安心を。
夜勤の前の勤務が日勤であり、受け持つ可能性が高いお部屋や患者さんなどが事前に分かれば、夕方の最後の情報を収集しておくのも手でしょう!
もちろん、夜勤の日の日中に状態が変化していたり、お部屋の患者さんが変わっていたり、違うお部屋の担当になるなんてこともあるため、夜勤当日の情報収集は当然ながら必須です。
しかし、仮に当日自分の担当ではなかったとしても、夜勤はスタッフの人数が限られるため、日勤帯以上に他のスタッフとの連携も必要となってきます。担当以外の患者さんの情報も知っておくことで、何かあった時の対応がスムーズになったり、都度情報収集をする時間が少なくなるため、自分の時間に余裕を持つことにも繋がるとも言えます。
ただ、夜勤に慣れるまでは、自分の受け持ちの患者さんに集中するということも大切ですので、情報の把握に留め、対応は先輩に相談するなどがよいでしょう。
▶夜勤前は、リラックスを。
先輩看護師の中には、夜勤前も出かけたり、活動的に動いている人もいるでしょう。しかし、慣れるまではなるべくリラックスして過ごすことに注力することをお勧めします。
夜間に時間帯に働くことは、ただでさえ体には大きな負担となります。加えて、慣れない業務や過度なストレスによりその負担はより大きなものとなることが予測されます。
夜勤の流れが掴めてくるまでは、夜勤前はゆっくり過ごし、自分のペースが掴めてきた頃に夜勤前の過ごし方も見直していくことをお勧めします。
▶当日の情報収集に余裕を持ち、安心を。
夜勤はスタッフの数が少なくなるため、担当する患者数が日勤帯と比べて多くなります。
そのため、情報収集する時間も必然的に多く必要になることが考えられるため、日勤の時よりも早く出勤する看護師さんが多いです。
これも夜勤前の過ごし方と同じで、自分のペースに合った時間を見つけていくことが大切ですが、概ね普段の出勤時間より15~20分程早く出勤して情報収集をされている方が多いようです。
中には、1時間ほど早く出勤して、情報を取り終え、休憩室でゆっくりとしているという方もいらっしゃるようです。しかし、あまりにも早く行き過ぎることで、逆に日勤の看護師さんの邪魔になってしまったり、只でさえ長い夜勤が更に長くなり、疲労度も増してしまいますので、注意しましょう。
夜勤業務中の食べ物・飲み物事情。
▶夜勤中の食事
夜勤の食事は、勤務体制などによりますが、2交代制の場合であれば最低限、夕食・朝食の準備はしておく方が良いでしょう。
人によっては、夜食など間食を用意している方も多いようです。
中には、食事はとらず、お菓子だけで過ごされるという看護師さんもいらっしゃるようですが、長時間の夜勤では、お勧めはしません。しっかりとご飯を食べて、エネルギーを蓄えることをお勧めします。
▶食事の準備はコンビニ?お弁当?支給?
夕食
夕食は昼間に時間があるため、お弁当を作ってくる看護師さんも多いようですが、コンビニで済ますという方もいらっしゃいます。施設によっては、食事が出るというところもあるようです。
当然ですが食事は、エネルギーのもととなるほか、身体を構成するものですので、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
お弁当の場合は、自分でバランスや量など自由に調整を図ることが出来ますが、手間はかかります。
コンビニのご飯はパターン化してしまうこともありますが、最近では、種類が豊富となってきており、組み合わせ次第では、バランスを考えたメニューにすることもできるようになってきています。
また、コンビニでは、筋トレブームにより、タンパク質が手軽に取れる商品が多く置かれるようになったり、ビタミンを選択的に取れるドリンクなども発売されています。
夜勤をする看護師さんの中には、夜勤中もスキンケアに気を使っている方が多くいらっしゃいます。スキンケアグッズのみならず、お肌のもととなるタンパク質やビタミンなどを選択的に摂取できる食品を毎回一つ追加しておくというのもいいでしょう。
朝食
朝食は食べない、または食べる時間がないという方もいらっしゃいましたが、パンやヨーグルトなど軽食を用意する看護師さんが多いようです。
朝は、検温や採血、トイレ介助、配膳などとても忙しくなる時間帯です。また作業が煩雑となり、インシデントなども起こりやすい時間帯になります。その時間の前に、一時の休息とエネルギー補給を行い、安全に業務が行えるように準備をすることも大切です。
間食
小腹が空いた時のためにお菓子を持参する方が良いでしょう。食べなくても持ち帰ったり、日勤の時に食べられるものを持っていくと便利でしょう。
また、夜勤が忙しくて食べる暇もないという日もあります。その時のために忙しくて食べられないときのために、パウチタイプのゼリーやおにぎりはオススメです。
▶意外に飲む、夜勤中の水分事情。
水分は1~2Lくらい持っていく方が多いようです。
多いと感じるかもしれませんが、夜勤は長く、気づかぬうちに水分を喪失しています。特に夏場だと、1~2Lの水分も仮眠前までに、あっという間に飲んでしまい、結局買い足すなんてことも良くあります。近くに買えるところがあればいいですが、夜なので開いているお店は、コンビニくらいです。ましてや白衣のまま勤務中に病院外に出ていくなんて、施設によってはご法度ということもあるでしょう。
多い分には残った分は持ち帰るのも良いと思いますし、休憩室の冷蔵庫に保管し、次の勤務で飲むなんてこともできると思いますが、無くなってしまったら元も子もないので、少し多いかな?と感じるくらいの量を準備していくと良いでしょう。
飲み物の種類としては、水分補給の目的の飲み物(麦茶や水、カロリーオフの飲み物、スポーツドリンクなど)の他に、リラックスのための飲み物も持っていく人もいるようです。
こちらはそこまで量は多くなく、小さな水筒で持っていく方もいれば、休憩室などにドリップコーヒーやティーバッグなどを常備しておき、都度飲むといった方法をとっているかたもいらっしゃるようです。
リラックスのための飲み物
・コーヒー
・紅茶
・ジャスミン茶など
その他にも置いておくマグカップは、気分があがるように、お気に入りのマグカップを置いたり、急に呼ばれても大丈夫なように、シリコンカップカバーを持参したり、1種類ではなく、複数の種類のフレーバーティーを置いておき、気分に合わせて飲み分けるなど、リラックスのための色々な工夫をされているようです。
カフェインの摂取が睡眠状況に影響が出るため、カフェインレスの飲み物を選択することも良いでしょう。逆に、短い仮眠には、仮眠前にカフェインを含む飲料を摂取し、寝起きをスッキリさせるという手段もあります。
自分の体質にあったものを選択すると良いでしょう。
仮眠を最大限に活用し、パフォーマンスアップを。
▶仮眠でリラックスを。
仮眠の時間に寝坊しないようにどのようなことをしていますか?と看護師の方にお話を伺うと、「寝坊しないように机に突っ伏して寝ている」「休憩室で横になっている」「そもそも寝ないようにしている」などの声が聞かれます。
一番多かった寝坊しないための対策は、「携帯電話のアラーム音を鳴らす」でした。またアラーム音も、「他の人の迷惑になるから」と音を消して携帯電話のバイブレーションのみで起きていらっしゃるという方もいらっしゃいました。
確かに仮眠の時に寝坊した際は、冷や汗が止まりまらないでしょう。だからといって、十分な休息をとらないことは、その後の作業効率の低下や、ミスの助長に繋がる可能性があります。
仮眠で短い時間でも休息をとることは、身体的にも仕事効率的にも良いので、寝坊することは怖いかもしれませんが、しっかり対策をとり、リラックスし、夜勤に臨むことをおすすめします。
また、長時間の勤務の疲労を取るだけでなく、インシデントなどが生じた際の切替えるための時間にも役立つでしょう。
夜勤の際の仮眠の効果については、日本看護協会からも情報が出ていますので、是非参考にしてください。
参考資料:『夜勤中の仮眠をとりましょう~夜勤とうまくつきあうために』公益社団法人 日本看護協会 労働政策部
▶あると便利、看護師さんリラックスグッズ
仮眠の時だけでなく、夜勤中にリラックスするために持参しているグッズを看護師さんからお聞きした。
1.お気に入りの音楽を持参
好きな曲を聴きながらリラックスされる方は多いようです。音楽プレーヤーやスマートフォンの電池がなくなってしまっても大丈夫なように、モバイルバッテリーも持参されているようです。
3.アロマスプレー
自分の好きな香りを嗅ぐことでリラックスに繋がります。ただし、香りの好みは人それぞれですので、休憩室や仮眠室では、他の人の迷惑になるかもしれない場合には、ハンドタオルなどに振りかけて使用する方もいらっしゃるようです。
4.汗拭き・ボディシート
夏場は言うまでもなく、汗拭きシートは必須です。しかし、病院の中の室温は暖かく、動き回ることで汗をかくこともあるので夏場のみならず、オールシーズンで使う可能性があります。病院に常備しておき、さっぱりできるようにしておくのも手でしょう。
5.アイケアグッズ目薬
眼鏡やコンタクトレンズを使用している方は、そのケアも非常に重要です。
長時間のコンタクトレンズ使用で、眼の疲労が蓄積することは勿論、レンズによっては長時間の装用により、眼球への影響も出てくるものもあります。また病院では、菌やウィルスと接触する機会が多いため、その手でコンタクトレンズを触れることで、眼球に感染も及ぼすこともあります。
そのため、替えのレンズや、レンズケースなどコンタクトレンズのケア用品を持参されるようです。
コンタクトレンズのケアに関してはこちらの記事もご参照ください。
↳『コンタクトレンズ、選ぶとき何を見る?ー選び方からケア方法までー』
また、仮眠前にはコンタクトレンズを使用し、仮眠明けは眼鏡で勤務するというスタイルもあるようです。
眼鏡は、普通の眼鏡を使う方もいらっしゃいますが、電子カルテの普及により、中にはブルーライトカットレンズの眼鏡を使用している方もいらっしゃるようです。長時間画面を夜勤の暗い環境で見ることは、想像以上に目への疲労感が蓄積するようなので、電子カルテを導入している施設の方は検討することも良いでしょう。
6.化粧品
お化粧をオフすることでリラックスを図る方もいらっしゃるようです。
また長時間の勤務に加えて不規則な生活となるというところからも、お肌のケアは欠かせないようです。そのため、病棟に最小限のお化粧ポーチを常備している方や、仮眠前には必ず化粧を落とし、乳液・化粧水を仮眠前後で使用する方、美容シートを使用しお肌のケアをするという方などもいらっしゃるそうです。
また、夜間は人の数も少なく、暗いことやマスクを常時しているなどの理由から、ベースメイクのみ行う人や、初めからすっぴんで勤務するという方もいらっしゃるようです。他にも、24時間落とさなくても良いファンデーションを利用しているという看護師さんもいらっしゃいました。
7.仮眠の時の着替え(靴下・Tシャツなど)
仮眠の際にゆっくりできるように、白衣から一時的に着替える方もいらっしゃるようです。Tシャツやタンクトップまではという方も、靴下を変えるだけでもリラックスになるのではないでしょうか。
8.ホットアイマスクを使用する
仮眠の前にホットアイマスクを使用して、眼の疲れを癒すようです。しかし、寝ながらの使用は火傷する恐れもあるので、寝る前に使用するだけに留める方が良いでしょう。
9.弾性ストッキング
長時間の立ち仕事で、下肢が浮腫むため、必需品なのが着圧式のストッキング(ソックス)です。使用している方が非常に多いようです。
使用するとしないでは、夜勤明けの疲れ具合も違ってくるようです。
10.お気に入りのタオルを持参(寝具代わりにも)
先述した通り、アロマスプレーを吹きかけて、自分だけがリラックスできるアイテムとする方もいらっしゃるようです。また仮眠の際の寝具や枕代わりとする人も多く、愛着があるアイテムでリラックス効果を狙っているようです。
11.歯ブラシ
自宅と同じで、食後だけでなく、寝る前後で歯ブラシをされるようです。仮眠前後にすることでリラックスが得られることや、夜食を食べることもあるようで、これも多くの方が持参もしくは常備しているようです。
長時間の勤務のため、各々、自分なりのリラックス方法を確立して長丁場に備えているようです。
徐々に自分のスタイルを見つけていくことが大切となるでしょう。
ラストスパート、朝の採血・検温
仮眠が明けて、夜勤もラストスパートです。
夜勤のあるあるですが、朝の採血や検温が始まると、トイレのナースコールが増えたり、朝の点滴や、朝食と朝の内服など業務量が急激に増え、怒涛のように時間が過ぎていきます。ミスやインシデントなども起こりやすい時間なので最後の集中が必要となる時間帯となってきます。
そのため、看護師さんの中には、朝のラストスパートのために栄養ドリンクやエナジードリンク、清涼感のあるタブレットのお菓子、コーヒーなどを持っていく人もいらっしゃるみたいです。
また飲料だけでなく、ストレッチや声出し確認、自分一人で解決するのではなく、他人の目を入れる、力を借りる等の対策もあるでしょう。自分なりのラストスパートを乗り切る対策を見つけることが良いでしょう。
疲れもピークに来て、もうすぐ終わるという気の緩みなどもあり、ミスや忘れなどが生じやすいと思いますので、最後まで気を抜かず、細心の注意を払って引き継ぎましょう。
夜勤が終わったら
夜勤が終わりに電車で寝過ごし、目的の駅を過ぎてしまうなんてことは、初めのうちはあるあるです。過度な緊張と身体の疲れから強烈な眠気に襲われることが考えられるので、普段は座れない電車も座れることが多いですが、座らずに帰るというのも手段でしょう。
自宅のベッドでゆっくり疲れを取って、自分を労わってあげてください。
まとめ
慣れないうちの夜勤業務は、緊張感から疲労感が強くなります。慣れてきても長時間の勤務と普段の生活リズムと異なる勤務状況というのは、心身ともに大きな負担となります。
仕事をしながらいかにリラックスし、普段の自分のパフォーマンスに近いものを発揮できるかということが重要です。
そのためにも、時間をかけながら自分の夜勤スタイルを見つけていくことが大切です。
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