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消毒の正しい使い方 「毎日の看護につながる!消毒薬の基礎 〜適切な使用に向けて〜」

こんにちは。

『ケアリングセミナー』事務局担当の大木です。

今回、10月28日 (土)  開催予定の
「毎日の看護につながる!消毒薬の基礎 〜適切な使用に向けて〜」
で講師をしていただく宮川先生に消毒について記事を執筆いただきました。

講義内では症例を含めて内容を丁寧にわかりやすく説明いただきます。

それでは早速、読み進めていきましょう!

 

氏名:宮川 佳也
所属:長野医療生活協同組合 長野中央病院
資格:感染管理認定看護師
略歴
2010年 長野医療生活協同組合 長野中央病院 入職
2018年 感染管理認定看護師 取得

はじめに


感染症を予防する上で重要な知識として感染成立の三要素というものがある。

これは感染が成立するためには元となる「病原菌」、感染先となる「宿主」、病原菌と宿主をつなぐ「感染経路」があり、このうちどれかひとつでも断ち切ることができれば感染症は成立しないというものである。

しかし現実的に完全に断ち切ることができるのは感染経路しかないためどれかひとつではなく感染経路をいかに断ち切れるかが、医療関連感染予防のキーポイントとなる。

病院で問題になりやすい感染経路には接触感染、飛沫感染、空気感染とあるが、今回は接触感染を主に消毒薬の適切な使い方を考えていく。

 

接触感染とは


接触感染は感染症者に非感染者が直接触れる「直接接触」、感染症例がドアノブなどの共有する環境表面に触れることで環境表面が汚染し、それに非感染者が触れる「間接接触」が主な経路となる。

接触感染により感染する主な病原体は黄色ブドウ球菌や緑膿菌などの細菌、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどのウイルス類が挙げられ、これらは病院内でアウトブレイクを引き起こす原因にもなる。

 

接触感染の予防法


接触感染の予防は手指衛生と共有物品の消毒、環境表面の清潔を保つことである。

手指衛生は主にアルコール製剤による手指消毒または流水と石鹸による手洗いが用いられる。

共有物品の消毒は消毒薬をしみこませたガーゼなどを用いて物品を清拭消毒する清拭法、消毒薬を容器に入れ、共有物品を完全に浸漬する浸漬法が用いられる。

環境表面の清潔を保つために清拭法や消毒薬を撒く散布法が用いられる。

 

手指衛生の注意点


手指衛生は最も簡単で最も効果のある予防策であり、多くの施設ではアルコール製剤による手指消毒、流水と石鹸による手洗いが推奨されている。

手指消毒の最大のメリットは場所を選ばないことと時間が短いことにある。

手洗いは水を必須とするためシンクなどの手洗い場を要する反面、手指消毒は様々な場所で使用することができる。

しかしアルコールは引火する特性があるため電気メスを使用する前の皮膚消毒に用いる場合、完全に乾燥させてから使用する必要がある。

手指消毒は手指全体に擦り込む必要があり、1回15秒程度擦り込む必要がある。

一方手洗いは洗い残しがないよう手指全体の洗浄を行う必要があり1回30秒程度必要とされている。これらのことから医療現場では手指消毒が推奨されている。

しかし手指消毒の最も注意しなくてはならない点は、アルコールに耐性がある病原体がいるということ。

これらの病原体に感染している症例を扱うときはアルコールによる手指消毒では不十分であり物理的に洗浄する手洗いが推奨される。

アルコールに耐性のある病原体(一例)
・ノロウイルス
・ クロストリディオイデス・ディフィシル(CD腸炎などと言われる)
・ アデノウイルスなど

 

浸漬消毒の注意点


浸漬消毒は看護の現場でしばしば見られ、主に共有器具の消毒に使用される。

消毒液に器具を完全に浸漬させる必要があるため空気に触れることなく液体に浸漬させる必要がある。

さらに分解できる器具に関しては適切に分解し浸漬することで適切な消毒を行うことができる。

消毒薬によっては蒸発や有毒ガスの発生を防ぐため容器には必ず蓋をする必要がある。

主に使用される次亜塩素酸ナトリウムは熱、光、時間で分解されるため消毒薬の温度は20℃前後、容器は紫外線から守るよう遮光できる容器にする必要がある。

さらに時間経過で濃度が低下するため定期的に交換する必要がある。

今回は当院で行っている浸漬消毒の良い例と悪い例を紹介する。

 

消毒効果を高めるために忘れてはならないのは器具の一次洗浄である。

先述したように完全に消毒薬に浸漬する必要があるため器具の汚れは不十分な消毒を招く。

主な汚れは血液や排泄物などがあげられるが、洗浄前に汚れがないか目視で確認する必要がある。

 

まとめ


普段使用している消毒薬でも適切に使用しなければ接触感染を起こす原因となる。

そのため普段から適切な消毒が実施できているか評価する必要がある。

看護は根拠が大切だがそれと同様に感染対策も根拠が重要となる。

普段何気なく実施している消毒だがこれを機になぜこの消毒薬が選ばれているのか、なぜこの器具はこの消毒方法なのかといった疑問をもってみることも大切である。

 

先生からメッセージ


どの看護師さんも病院で働いていれば毎日必ず消毒薬を使用します。

自分たちが使用しているその消毒薬、どこまで把握しているでしょうか?

看護にはエビデンスが重要となりますが、なぜその消毒薬が選ばれているのか、なぜ他の消毒薬ではダメなのかふと考えると「わからない・・・」という方、多いと思います。

今回、病院で実際に使用される消毒薬の基礎から現場で使用する際の注意点などわかりやすく説明いたします。

これを機に消毒薬の勉強をしてみませんか?

 


文面でも丁寧にわかりやすく説明くださる宮川先生ですが、

セミナー内ではもっと詳しく知識を教えてくださいます。

宮川先生、ありがとうございました!

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