患者・家族との良質なコミュニケーションがもたらす効果として最も適切なものはどれですか。
- 意思決定の遅延と医療不信の増大
- 症状負担の軽減、医療への納得感、アドヒアランスの向上
- 患者の価値観を矮小化し、医療者主導の選択を促進
- 家族の不安を無視して医療資源の使用量のみ削減
回答
2 : 症状負担の軽減、医療への納得感、アドヒアランスの向上
解説
良質なコミュニケーションは、情報の正確な共有にとどまらず、患者・家族の価値観を理解し合意形成へ導く治療的介入です。痛みや呼吸困難などの主観的症状は不安や孤立感の影響を強く受けるため、共感的な関わりと期待値の調整、意思決定支援により症状負担が軽減しやすくなります。また、ケアの目標が共有されると治療・療養方針への納得感が高まり、服薬やセルフケアなどのアドヒアランスが向上します。
効果を高める要素
- アジェンダ設定(今日必ず話したいことを最初に確認)
- 要約と確認(Teach-backで理解度を点検)
- 共感表明と沈黙の活用(感情のスペースを確保)
- 選好把握(生活ゴール、役割、望む場所、治療負担の許容度)
- 合意文書化(意思決定の根拠をチームで共有)
誤答肢のように、良質なコミュニケーションが意思決定を遅延させるのではなく、むしろ選択肢の理解を助け、納得的な合意形成を促します。価値観の矮小化や不安の無視は不信と離脱を招き、長期的なアウトカムを悪化させます。
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