看護師セミナーCaring

スピリチュアルペインへの初期対応として最も適切な看護師の姿勢はどれですか。


  1. 苦痛の原因を即断し、励ましで気をそらす
  2. 治療選択の情報だけを提示し、感情表出は制限する
  3. 価値観・意味・希望に関する語りを引き出し、評価と共有から始める
  4. 宗教的介入のみを優先し、生活面や家族支援は後回しにする

回答

3 : 価値観・意味・希望に関する語りを引き出し、評価と共有から始める

解説

スピリチュアルペインは「自分らしさが脅かされる経験」から生じる苦痛で、人生の意味、価値、希望、関係性(家族・社会・自然・超越的なもの)に関わります。初期対応では、解釈の押し付けや安易な励ましではなく、患者が何を大切にしてきたか、今何が失われ、何が支えになるのかを語れる安全な場を整えることが重要です。

実践のポイント

  • 開かれた質問で語りを促す(例:「これまで大切にしてきたことは何ですか」)
  • 感情を言語化し、正当性を認めるバリデーション(例:「そう感じるのは自然なことです」)
  • 苦痛の領域(身体・心理・社会・スピリチュアル)を区別しつつ相互作用を評価
  • ケア目標を患者・家族と情報共有と合意のプロセスで明確化する
  • 必要時に多職種(チャプレン、MSW、公認心理師等)と連携する

誤答肢のように、励ましで逸らすことは一時的効果しかなく、語りを閉ざす可能性があります。情報提示のみで感情表出を制限すると、信頼関係が形成されません。宗教的介入は有用なことがあるものの、本人の価値観に基づかない一律の介入は不適切で、生活・関係性・役割支援も同時に検討すべきです。

関連セミナー

事例から読み解く、がん患者・家族に寄り添うための看護ケア
揺れ動く患者・家族の思いに寄り添うためのコミュニケーションを深く学ぶセミナーです。スピリチュアルペインの理解とケア、情報共有と合意形成のあり方を整理し、感情に寄り添う姿勢を養います。良質なコミュニケーションの効果や注意点、一歩踏み込んだ声かけを具体的に解説。豊富な事例を通して、病棟だからこそできる関わりと“治療的な会話”の実践力を高めます。