コミュニケーションの役割として、意思決定支援の場面で最も重要なポイントはどれか。
- 医療者が正しい情報を一度に全て説明し、理解できたか確認せずに進める
- 患者の発言の矛盾を指摘し、論理的に整理して結論へ導く
- 患者の感情や価値観を受け止め、理解を確認しながら対話を重ねて選択を支える
- 患者の不安を増やさないよう、難しい話題は避けて雑談中心にする
回答
3.患者の感情や価値観を受け止め、理解を確認しながら対話を重ねて選択を支える
解説
意思決定支援におけるコミュニケーションは、情報を伝えるだけでなく、患者さんが「自分の状況をどう理解し、何を大切にしたいか」を言葉にできるように助ける働きを持ちます。がん患者さんの意思決定は、治療の効果と副作用、生活への影響、家族との関係、将来の見通しなど、多くの要素が絡みます。そのため、医療者が正しい情報を一方的に並べるだけでは、患者さんの中で整理されず、納得感が得られにくいことがあります。
対話の核心は「理解の確認」と「価値観の探索」
同じ説明でも、患者さんがどの程度理解し、どこに不安があるかは人によって違います。説明→理解確認→質問→気持ちの受け止め→次の説明、という往復が必要です。また、患者さんの価値観(例:自宅で過ごす時間を大切にしたい、痛みを最小限にしたい、家族に負担をかけたくない)を把握し、それに沿って選択肢の意味づけを行うことが意思決定支援の質を高めます。
選択肢の整理
- 1は理解確認がなく、誤解や不信感につながります。
- 2は患者さんの語りを評価・裁く方向になり、安心して話せなくなる可能性があります。
- 4は一時的な安心は得られても、必要な意思決定を先送りし、後で負担が増えることがあります。
コミュニケーションは「情報提供」だけでなく「納得感の形成」を支える技術であり、意思決定支援の土台です。
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