Ⅲ度房室ブロックに対するペースメーカの推奨度の高い適応基準は?
- 無症状で心拍数が安定している場合
- 一過性に出現し、自然に改善する場合
- 症状を伴うⅢ度房室ブロック
- 運動時のみ軽度の房室伝導遅延を認める場合
回答
3.症状を伴うⅢ度房室ブロック
解説
Ⅲ度房室ブロック、いわゆる完全房室ブロックは、心房と心室の電気的興奮が完全に遮断され、心房と心室がそれぞれ独立して収縮する状態です。この病態では心拍数が著しく低下し、全身への血流が不足しやすくなります。そのため、ペースメーカ治療の適応判断が非常に重要となります。
推奨度の高い適応基準
ペースメーカの推奨度が最も高い適応基準は、症状を伴うⅢ度房室ブロックです。具体的には、失神や前失神、めまい、倦怠感、心不全症状、アダムス・ストークス発作など、徐脈に起因すると考えられる症状を認める場合が該当します。これらの症状は突然出現することがあり、生命に直結するリスクを伴います。
なぜ症状の有無が重要なのか
Ⅲ度房室ブロックでは補充調律により心拍が維持されることがありますが、その心拍数は不十分であることが多く、状況に応じた心拍数の増加も困難です。その結果、脳や重要臓器への血流が低下しやすく、症状が出現します。症状があるということは、すでに代償が破綻している状態であり、恒久的ペースメーカによる心拍数維持が強く求められます。
他の選択肢との違い
無症状で心拍数が保たれている場合や、一過性で可逆的な原因によるⅢ度房室ブロックでは、経過観察が選択されることもあります。また、軽度の房室伝導障害や運動時のみの変化は、Ⅲ度房室ブロックとは異なり、直ちにペースメーカを必要とする状態ではありません。この点で、症状を伴う完全房室ブロックは最も明確で推奨度の高い適応となります。
看護師が理解しておくべき視点
看護師は心拍数やモニター波形だけでなく、患者の自覚症状や行動の変化に注目することが重要です。めまい、突然の意識消失、易疲労感などは、ペースメーカ適応を判断する重要な情報となります。早期に異常に気づき、医師へ正確に報告することが、重篤な転帰を防ぐための重要な役割です。
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