超入門!人工呼吸器の基礎~人工呼吸器の何を見ればイイのか分かるようになる~
急性期から慢性期まで幅広く使用する人工呼吸器。患者様の状態に合わせて設定を変更し、患者様の呼吸状態を回復に向かわせていく強い味方です。しかし、機械アレルギーのように人工呼吸器に対して、苦手意識持っていませんか?
人工呼吸器の設定項目や換気モードに関して基礎から学びなおし、理解を深めることでご自身の施設に戻られたときに、強い味方にしてケアに繋げていくためのセミナーです。
研修目標
1.人工呼吸器の目的や換気モード、設定項目などを学ぶことで、装着患者の状態を理解することができる
2.人工呼吸器の装着中に起こるトラブルを理解して、対処する方法がわかる
◎こんな方にオススメです。
・人工呼吸器装着患者を受け持ち始めた方
・人工呼吸器の基礎的な部分の学び直しをしたい方や、異動により人工呼吸器を見ることが増えた方
・ウィーニングの基準を知りたい方
・看護師経験年数2~5年程度の方
研修内容
第一部 人工呼吸器はなぜ必要か
1.人工呼吸器にできること
2.人工呼吸器の開始基準
3.SpO2とPaO2
4.血ガスの見方
5.酸塩基平衡の指標
6.この血ガスは、呼吸性?代謝性?
第二部 酸塩基平衡から人工呼吸器を考える
1.自然呼吸と人工呼吸の違い
2.換気様式(強制換気)の違い
-VCV(従量式換気)
-PCV(従圧式換気)
-それぞれの換気様式の特徴
3.人工呼吸器の設定項目
-酸素濃度の調整
-呼吸仕事量の調整
4.呼吸回数は急変の指標
第三部 覚えるべき換気モード・グラフィックについて理解を深める
1.人工呼吸器の換気モードについて
-A/C(アシストコントロール)
-SIMV
-A/CとSIMVの違い
-CPAP/SPONT
-人工呼吸器のモードのおさらい
2.事例を通してモードを学ぶ CASE1
3.事例を通してモードを学ぶ CASE2
第四部 人工呼吸器からの離脱に関して・質疑応答
1.グラフィックモニターで異常発見 -気道内圧
-ガスリークの有無
-回路内の結露・喀痰の貯留
2.グラフィックモニターの事例1
3.グラフィックモニターの事例2
4.人工呼吸器からの離脱
-離脱の可能性を評価する
-自発呼吸トライアル(SBT)
5.再挿管のリスクと人工呼吸器の準備
6.人工呼吸中のアラーム
開催日 |
2025年1月10日(金) PM 2:00~PM 6:00 |
---|---|
会場 | 弊社Web上 |
応募締切 | 2025年1月9日(木) |
参加費 | ¥8,800(税込) |
講師プロフィール
所属:埼玉医科大学総合医療センター勤務
役職:主任
資格:呼吸療法認定看護師/集中ケア認定看護師
経歴
2003年 北里大学メディカルセンター病院 消化器外科勤務
2005年 埼玉医科大学総合医療センター 集中治療室 勤務
講師より
ベッドサイドで求められるのは、思考のプロセス。
自己学習は必ず基本となる知識の部分ですから、とても大事です。しかし、一個一個のものを覚えているだけではその繋がりを知ることは難しいです。
自己学習も大事ですが、この集中ケア領域では、ベッドサイドで得た経験を知識に変える作業が大事だと思っています。
私の施設では、ウォーキングカンファレンスを取り入れ、受け持ち看護師が、患者さんのプレゼンを行い、その日のケアを皆で話し合います。
その結果がどうだったか、1日の終わりに集まり、評価を行うようにすることで他人の思考過程を理解する環境を作っています。
自分の持っている知識を基に、どうアセスメントしたら良いのかを、人に話すことで自分に何が足りないか気付けるようになります。
他人のアセスメントの思考過程を知ることで、こう考えられば良い、こういうケアを組み立てればいいと学習できます。
セミナーでもそういった他人の思考過程が理解できるように事例を通して、伝えていきたいと思っています。
看護観は、ターミナルの患者さんを看ていた2年間の経験が根強い。
集中ケアの領域では、何よりも患者さんを救命する目的がありますので、治療的な側面に入っていく必要があると僕は思います。
病態が読み取れなければ、どういう看護をしたらいいかというケアの選択ができません。
病態の読み取りとアセスメントは大前提として必要です。
それが一般病棟と違うところだと思いますが、そういったところをなくして看護だけを見つめてしまうと、この中の看護とは何なのかが分からなくなるスタッフはやはり時々います。
ただ、患者の気持ちや考えを理解しようとすることが希薄になってしまうのはやむを得ない面もありますが、看護師はそこが希薄になってしまってはいけないといつも話しています。
看護師としての看護観をよく質問されますが、むしろターミナルの患者さんを見ていたときの2年間の経験のほうが、いまだに根強く影響しています。
そこで患者さんと話し、患者さんの病気に対する思いに触れ、看護師とはそういう仕事なのだという想いが自分の中に芽生えたと言いますか、むしろその経験ゆえに、もっとしっかり重症患者さんを見られるようにならないといけないと思いました。
一患者さんと向き合うとなったときにどう考えたらいいのか、そこが難しいです。
それこそ、この領域でもよくある身体拘束の問題や、倫理的な問題、そういったところがおろそかになってしまうのは良くないと思います。
あの2年の経験がなかったら、患者さんと向き合うとはどういうことなのか、僕の中でもきちんと整理できなかっただろうと思うときも未だにあります。