70歳男性。胸痛を訴えて訪室した。冷汗と不安感があり、痛みは胸の中央から左肩に放散している。最も優先して行うべき初期評価はどれか。
- 腹部聴診による腸蠕動音の確認
- 皮膚の乾燥具合の観察
- 胸痛の性状や発症状況の確認と、バイタルサイン測定を含む循環評価
- 肩関節の可動域テスト
回答
3: 胸痛の性状や発症状況の確認と、バイタルサイン測定を含む循環評価
解説
胸痛に加えて、冷汗・不安・左肩への放散痛がある場合、急性冠症候群(心筋梗塞・不安定狭心症)の可能性が高く、循環評価を最優先で行う必要があります。胸痛アセスメントでは、発症状況(いつ・どこで・何をして)、性状、放散、持続、誘因・緩和因子などの問診が重要です。さらに、バイタル(血圧、脈拍、呼吸数、SpO₂)の確認に加えて、皮膚冷感、発汗、意識状態など循環不全の徴候を合わせて観察します。
肩関節可動域の確認は整形外科的胸痛を疑う場合に行いますが、緊急度が低い場面に限られます。腹部聴診は胸痛とは直接関係がなく、優先順位は低くなります。胸痛の中には致死的疾患(急性大動脈解離、肺塞栓、緊張性気胸など)もあり、早期発見と迅速対応が予後を大きく左右します。したがって応用編では「胸痛=循環評価を最優先」という基本を状況判断として確実にできることが非常に重要です。
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