透析後半からの血圧上昇の原因物質は何か?
- エリスロポエチン
- レニン
- エンドセリン
- アルドステロン
回答
3.エンドセリン
解説
透析後半から血圧が上昇する現象は、一部の患者で見られる「透析中高血圧(intradialytic hypertension)」と呼ばれる状態です。従来は除水不足やナトリウム過剰が原因と考えられていましたが、近年の研究では血管作動性物質の関与が注目されています。その中でもエンドセリン(Endothelin-1)は強力な血管収縮作用を持つペプチドで、透析中に血中濃度が上昇し、末梢血管抵抗を増加させることで血圧上昇を引き起こします。
エンドセリンは血管内皮細胞で産生され、腎不全患者では代謝・排泄が低下するため、透析中に濃度が変動しやすいとされています。透析後半では体液量が減少し、交感神経活性や血管収縮因子の影響が強まるため、エンドセリンの作用が顕著になります。これにより、心拍出量が減少しても末梢血管抵抗が上昇し、血圧が上がるというメカニズムが成立します。
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