PTGBDが適応になる主な疾患は何か?
- 急性膵炎
- 急性胆嚢炎
- 総胆管結石症
- 胃潰瘍穿孔
回答
2. 急性胆嚢炎
解説
PTGBD(Percutaneous Transhepatic Gallbladder Drainage:経皮経肝胆嚢ドレナージ)は、急性胆嚢炎に対して行われる治療法です。急性胆嚢炎は、胆嚢管の閉塞によって胆嚢内に胆汁がうっ滞し、細菌感染や炎症が進行する疾患で、重症化すると敗血症や胆嚢穿孔を引き起こす危険があります。
適応と目的
PTGBDは、全身状態が悪く緊急手術が困難な患者や、抗菌薬治療だけでは改善が見込めない場合に適応されます。目的は、胆嚢内の膿性胆汁を体外に排出し、感染と炎症をコントロールすることです。これにより、敗血症の進行を防ぎ、後日安全に胆嚢摘出術を行えるようにします。
手技の概要
超音波やX線透視下で、皮膚から肝臓を経由して胆嚢に穿刺し、ドレナージチューブを留置します。肝臓を経由することで、胆嚢への安全なアクセスが可能になります。局所麻酔で行えるため、全身麻酔が困難な高齢者や重症患者にも適応できます。
看護師の役割
看護師は、ドレナージ後の管理(排液量・性状の観察、感染予防)、穿刺部位の清潔保持、合併症(出血、胆汁漏出、カテーテル閉塞)の早期発見に努めます。また、患者への説明や不安軽減も重要です。
まとめると、PTGBDは「急性胆嚢炎に対して、胆嚢内の感染を制御するために行う経皮的ドレナージ」であり、重症例や手術困難例で救命的役割を果たします。
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