心原性脳塞栓症の主な原因は何か?
- 心房細動
- 心室頻拍
- 心房粗動
- 心室細動
回答
1. 心房細動
解説
心原性脳塞栓症は、心臓内で形成された血栓が脳血管に流入し、脳梗塞を引き起こす病態です。その主な原因は「心房細動(AF)」です。心房細動では心房が不規則に収縮し、血流が停滞するため、特に左心房の左心耳(左心房耳)に血栓が形成されやすくなります。この血栓が脳動脈に塞栓を起こすことで、脳梗塞が発生します。
なぜ心房細動が危険なのか
心房細動は心拍が不規則で心房収縮が失われるため、血液がうっ滞しやすくなります。これにより、血栓形成のリスクが高まり、塞栓症の原因となります。特に高齢者や高血圧、心不全、糖尿病などのリスク因子を持つ患者では、脳塞栓症の発症率が高くなります。
その他の原因
心原性脳塞栓症の原因には、心房細動以外にも以下があります:
- 心房粗動(atrial flutter)
- 心筋梗塞後の左室内血栓
- 心臓弁膜症(特に僧帽弁狭窄症)
- 人工弁や心内膜炎による血栓形成
看護師の役割
看護師は、心房細動患者に対して抗凝固療法の管理(ワルファリン、DOACなど)、脳梗塞予防の教育、服薬アドヒアランスの確認を行うことが重要です。また、脳梗塞の前兆(突然の片麻痺、構音障害など)を早期に発見し、迅速な対応につなげることが求められます。
まとめると、心原性脳塞栓症の主な原因は「心房細動」であり、抗凝固療法による予防が最も重要な対策です。
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