打診で尿閉を調べるのに正しい方法は?
- 膀胱部を指で軽く叩打し、腹部全体の音を聞く
- 恥骨上部を軽く叩打し、打診音の変化(打楽音⇔濁音)を確認する
- 脇腹(腎臓付近)を叩打し、打楽音の変化を調べる
- 胸部を叩打し、その反射から尿閉を推定する
回答
2. 恥骨上部を軽く叩打し、打診音の変化(打楽音⇔濁音)を確認する
解説
尿閉(膀胱尿貯留)は、膀胱が尿で著しく充満し、排尿ができない状態を指します。その診断において、恥骨上部を打診して「鼓音(空気や腸管の響き)」から「濁音(膀胱内に液体がある音)」へと変化するかどうかを評価する方法が臨床的に有効です。
なぜ恥骨上部打診が正しいのか
尿貯留時、膀胱は骨盤腔内で拡張し、恥骨上部を打診すると濁音が得られます。逆に膀胱が空(排尿後)であれば、その部位は空気や腸管によって鼓音となるため、打診音の変化が明確に現れます。この方法により、目視や触診ではわかりにくい場合でも、尿貯留の有無を非侵襲的かつ迅速に判断できます。
他の選択肢が不適切な理由
- 選択肢1(腹部全体の叩打):打診部位が広すぎ、膀胱だけを評価できないため、誤判定の可能性が高い。
- 選択肢3(脇腹の叩打):腎臓や後腹膜の評価には使えるが、尿閉の指標にはなりにくい。
- 選択肢4(胸部叩打):胸部は呼吸器を評価する部位であり、泌尿器評価には無関係。
実務的な臨床プロセス
1.患者を仰臥位とし、腹部をリラックスさせる。
2.恥骨上の下腹部に手を当て、指または軽く拳で軽く打診する。
3.打診音が鼓音→濁音へと変わった場合、膀胱内に液体(尿)が存在していることを示し、尿閉が疑われる。
4.尿閉が疑われる場合には、超音波ブレーダスキャンや導尿など、追加の評価・対応を検討する。
上述の方法は、超音波やカテーテル挿入前に行える迅速かつ簡便なスクリーニング手段です。特に急性尿閉が疑われる場合、臨床的判断のスピードが重要になるため、看護師が基本的スキルとして身につけておくことが望ましいアセスメント法です。
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