専門看護師 大学院入学編 | 看護師のキャリア
看護師のキャリアパスについて、臨床から離れ研究職に就かれた方や、資格を取得し仕事に活かされている方などにお話をお聞きする「看護師のキャリアパスシリーズ」。
第1回目は専門的な知識や技術を持っているだけではなく、教育や調整なども行う、各専門分野のスペシャリストである、専門看護師のお話しです。
看護師として臨床で働きながらも
「知識や技術を高めていった先で何になろう?」
「将来ジェネラリストになろうか?スペシャリストになろうか?」といった悩みを抱える方も少なくないと思います。そんな方々の参考になれば幸いです。
今回インタビューに答えてくださったのは、都内の病院に勤務される、急性・重症患者看護分野の専門看護師さんです。
専門看護師になるためにはどうしたらよいか?専門看護師になるとどのようなことが変わるのか?なるにはどのくらいお金がかかるの?などといった疑問にお答えいただきました。
専門看護師制度は、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかることを目的としています。
(引用:日本看護協会HPより)
目次
- 専門看護師を目指したきっかけは?
- どれくらいの臨床経験が必要なのか?
- 大学院によって得意分野が異なる
- 大学院を選ぶポイントは、指導してもらう教授が最も重要
- 自分自身の研究したいテーマに合う教授の探すには?
専門看護師を目指したきっかけは?
私が大学院で勉強したいと思ったのは、看護の質がすごく気になったからです。
元々働いていた部署は、学会など院外に出る機会が少ないと感じていました。先輩看護師の一人は積極的に学会発表をしていましたが、その方が異動してからは院外に出る人もいなくなりました。
こで自部署の看護の質はどうなのかと疑問に感じ色々と調べてみたら、あまり最新のことを取り入れているわけでもなく、アップデートされてないことに気付いたのがきっかけです。
そこで、大学院へ進学し看護の質について学びたいと思いました。
どれくらいの臨床経験が必要なんですか?
専門看護師の受験資格として臨床経験は5年必要です。ただ、大学院の修了時に5年の経験があれば大丈夫なので、臨床経験3年目の看護師の人も行くこともできます。
しかし、他者との交渉力も必要になり、臨床を俯瞰的にみることができる能力が求められるので、チームリーダー等の管理業務ができるようになってから大学院に行く方が、看護師としての経験だけでなく、社会人として人間として経験値も付いており、より良いかと思います。
ちなみに私は10年目で大学院に行きました。
大学院はどうやって選ぶのですか?
看護系大学院は領域によって質やレベルは全然違います。
クリティカルが強いところは、都内で2つほどのイメージです。
逆に毎年試験に落ちる学生がいる大学院もあります。そのようなところは質的にどうなのかと思います。カリキュラムが変わって厳しくなっている印象です。
また、試験の合格率でその大学院のレベルが分かると言っても過言ではないでしょうから、事前に合格率をよく調べてからのが良いかと思います。
試験の合格率意外に重要なポイントはありますか?
「誰に教えてもらうのか」というのも重要な要素です。指導してもらう教授を誰にするか、看護以外にも言える事かもしれませんが、大学院選びはそこが最重要ポイントです。
研究したいことと教授が合致しないので意味がないですし、辛い思いをするのは自分自身です。
現実にある話として、大学は開講ありきで本当は領域が違うのにも拘らず、成人だから癌を専門とする教授が急性期を担当する大学院もあります。そのような状況では、自分自身が研究したいシチュエーションがうまく教授に伝わらず、パフォーマンスが上がらないということになる可能性が高いと思います。
これから専門看護師を目指す人は、教授を選ばずに大学院を併願するようなことは止めたほうが良いと思います。
自分自身の研究したいテーマに合う教授はどのように探しましたか?
自分自身が研究したいテーマに合う教授を探すには、2つの方法があると思います。
一つは、論文から探す方法です。興味のある論文を読んで自身の研究テーマと相性が良いと思われる内容のものを書いている先生をリストアップする方法です。
二つ目は、学会へ参加して探す方法です。
実践レベルの話ができて理解できる先生でないと意味がないので、気になる先生がいたら積極的に話しかけたほうが良いと思います。
その後は、教授に直接アポイントメントを取って何度か面接に行き、テーマについての話を深めていくのがいいですね。
専門看護師 大学院入学編 | 看護師のキャリアへ、つづく。